ダイハツ工業の京都工場がある京都府大山崎町が、新年度の一般会計当初予算案に公用車として電気自動車(EV)を購入する費用を計上したところ、議会がこれを削除した減額修正案を可決した。「買うなら地元企業のものを」というのが理由だが、そもそもダイハツ製のEVは存在していない。
町は環境に優しい公用車として、EV1台を約280万円で買おうとした。日産製の予定だったが、議会では「日産は地元企業ではない。どうせ買うなら、町に工場のあるダイハツ製を」との意見がついて削除された。
しかし、ダイハツはEVを生産していない。スズキやトヨタと共同開発中のEVの軽商用車も、ダイハツによる認証試験不正のあおりで、23年度内の予定だった生産開始が延期されている。
大山崎町は町長、議長、教育長用として、それぞれ1台ずつ計3台の公用車を所有しており、いずれもダイハツを傘下におくトヨタ製だ。町長用の車にETC車載器を取りつける費用2万7600円も「なぜ町長の車だけなのか」と削除された。
町長の前川光氏は現在2期目。2022年の町長選では共産党の支持を受け、自民、公明、国民民主が相乗りで推薦した候補を破った。予算の減額修正案は町長に批判的な議員らによる賛成多数で18日に可決された。(日比野容子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル